今回取り上げるのが、銀座千疋屋などの多数の有名メーカー様の商品を取り扱う、食品卸業者の食品開発株式会社です。
メーカー様から仕入れた食品をニーズに合わせて小売店様やバイヤー様へ素早く提案。 そんな食品開発(株)の社長、片山様に取材の機会をいただき、会社の立ち上げエピソードや、事業を通して大切にされていることなど色々なお話をお聞かせいただきました。
メーカー様のパートナー、食品開発株式会社
代表取締役 片山 良夫 様
2006年に大阪で食品開発(株)として立ち上げました。 現在、約700社ものメーカー様の商品を取り扱っており、シイレルでも3000商品以上をご登録いただいている、食品の専門商社です。
食品業界で活躍している食品開発(株)ですが、実は起業した当初は、メーカーとしてONLY ONEの商品を開発し、販売していきたいと思われていたそうです。
しかし、それには資金や時間がかかり、起業したての状態では難しいため、メーカー様のパートナー(食品の卸業者)としてお客様に商品をお届けしようと決意されました。
仕事をするならONLY ONEでありたい片山様の中での販売形態とは、得意先様それぞれのニーズに合った商品を、独自のシステムを使ってスピーディーかつ正確にご提案することです。この言葉だけを聞くと当たり前のことだと感じますが、食品開発(株)のONLY ONEとは、多数の「商品」や送り先の情報を管理するための「システムの開発」、お客様のもとへ商品をお届けする「物流」。この3つを10年かけて構築されました。
「食品の卸販売」、「システムの開発」、「物流」の3本の矢の基盤を頑丈に構築することで、多くの種類の食品群の中から素早く各得意先様のニーズにご対応できます。今では「システム」に関しては「システム開発株式会社」、「物流」に関しては、3温度帯を取り扱える物流倉庫を確保し、物流事業部として立上げ拡大されています。
上郡物流センター
この3つの矢の中の1つである「食品の卸販売」では、メーカー様と一緒に販売方法を考えられているそうです。
メーカー様は、商品をつくるのはとても真剣で努力を惜しまない方が多いそうですが、システムや物流に関する、ノウハウやマーケティングに至っては苦手意識を持った方が多いそうです。
そういったメーカー様のために「だれに?どういった風に?販売するか」を食品開発(株)はメーカー様と、一緒に悩んで商品を販売することでメーカー様と成長してきました。
食の安全への取り組み
そんな食品開発(株)が一番大事にしているのは、「商品の安全性」です。 自社で食品の製造・加工はされていませんが、商品を販売する「販売の責任」は卸業者として必要であると考えられ、「管理する目を養う」ことで食の安全性に最も力を入れているそうです。
食の安全に関する知識を知っていることで、トラブルがあった際も何が原因なのか適切な対応ができると考えられています。そのことから、商品を提案する営業の方は「食品表示検定」「食品安全検定」を取得されており、食品表示に関する知識、食品の安全性に関する知識を身に付けられています。
また、会社としても「ISO22000認証」を取得していることから、生産から消費者様に物が届くまでのフードチェーンにおけるリスク管理や、より安全にお届けできるように食品安全におけるマネジメントシステムも導入されています。
本物のおいしさとは何か?
今回、取材をさせていただいた中で、会社のビジョンについてお伺いしたところ、その一つとして「海外進出」を考えられているとお聞きしました。
その背景として、日本の「人口減少」の問題があります。それは、日本だけでの販売ではどうしても商品の売り上げが減ってしまいます。その点、海外の市場は、和食は無形文化遺産として需要があることから、海外で販売することはとても意味があることと考えられています。
また、もう一つの問題として「労働人口の減少」の問題もあり、必要不可欠な業務が手薄になってしまう可能性が高いです。食品開発(株)はそういった部分を自社の強みである「システム」を活用し、補えるような事業をすることで社会に貢献できるとおっしゃっていました。
片山様はそういった「補う働き」をすることこそ、本当の仕事の面白さがあると強く話されていました。
お話を聞く中で「日本の味」や「本物のおいしさ」という言葉を何度もおっしゃっていました。昨今、無許可の添加物の使用、賞味期限の捏造や偽造がある中で、取材している私自身、「安全=おいしさ」につなげていたところがあったように思います。
私自身、「本当のおいしさ」とは何なのかを考えさせられました。 これからの食品開発(株)がどのような事業をされるのかが非常に楽しみです。
今回ご紹介しましたサプライヤー様の商品はシイレルにご登録いただくことで販売可能です。
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